中学生のための国語のおすすめ50冊

パイド・パイパー 自由への越境(えっきょう)

パイド・パイパー 自由への越境(えっきょう)

小説

創元推理文庫

ネビル・シュート(池 央耿訳)

<脅迫だの,裏切りだの,もうそんな話は止しましょう。>

近年,世界各地で相次いでテロが起こっており,そこから大規模な戦争が引き起こされる可能性も少なくありません。ひとたび戦争が起これば,最も深刻な被害をこうむるのはいつも子供たちです。この物語は,第2次世界大戦が始まったころのヨーロッパ戦線を舞台にしています。ドイツの侵攻(しんこう)により戦火の広がっていくフランスを,一人のイギリスの老人が,やむなく何人もの子供を連れて,故国イギリスを目指し無防備で命がけの旅をすることになります。我々が,もしこの老人の立場に立ったら,どんな手段で子どもたちを守ろうとするでしょうか。いやその前に,この老人のようにそうした厳しい役目を負うことができるでしょうか。(Mさん)